公園の中の祠(ほこら)
私は散歩することがよくあるのですが、散歩ルートの一つに公園があります。そちらの公園の中に稲荷神社があります。三の鳥居まであり、ちょこんとお祀りしてある神社で、私は通る度に何か気配を感じ、気になりつつも、近づかないようにしていました。
ある日、娘と散歩をしていた時のことです。ちっちゃい祠から、ぴょーんと何かが飛び出してきました。よく見ると、狐のお面を被った若者のように見えました。私が、「どなたですか?」と尋ねると、シンノスケとシンノジョウという名前が同時に聴こえました。娘も気配に気づいたようで、「さっき来たよね」と言っていました。娘にはシンノジョウという名前だけ聞こえたようで、「どっちの名前が本当だろうね?」と話しながらその日は帰りました。
娘が別な日に通った時も、やはり何かいると感じたようです。私は、何か神様が私に頼み事があるような感じを受けつつも、何だか気が引けていたのですが、娘が「行ってきなよ」というので、お稲荷さんにまた会いに行きました。
行ってみると、2つの名前が聞こえた理由が分かりました。実はシンノスケとシンノジョウは一対の存在で2つの魂で一つだったのです。この前散歩中に、ぴょーんと来たのがシンノスケで、ぴょんぴょん飛び回るくらい元気な子です。そして奥に隠れて中々出てこないのがシンノジョウでした。
シンノジョウがあまり元気が無いように感じましたので、「どうしたの?」と尋ねた所、人間や神様に対する不信感を感じました。確かに祠をみると、神様が入ってないようです。「神様を探して、この辺りを浄化したらいいね。」と話して、その日はその場を後にしました。
お爺さんの哀しみ
しばらくの間、公園を浄化していましたが、シンノジョウは元気の無いままです。やはり祠に神様が降りてないからでしょうか?そんなある日のこと、瞑想中に「公園に行かなきゃ!」という気持ちが湧き上がり、行ってみると、祠の前に品の良いお爺さんの顔が現れました。丸いメガネで、白いひげ、格好の良い帽子をかぶっていました。明治や大正の頃の方でしょうか……
お爺さんからお話を聴いてみると、この公園はそのお爺さんの土地だったそうで、自分の土地が公園になってしまっていることが納得行かない様子でした。
周りを見回すと高層マンション。相続の際に分納して公園になってしまったのでしょう。まさか売られると思っていなかったようで、相当ショックだったということでした。
お爺さんを説得
私は、税金だから仕方ないし、公園になったことで、皆さんのお役に立ってますよということを伝えました。
しかし、お爺さんの怒りは、売られたことだけではありませんでした。もともと祀ってあり、信仰していたお稲荷さんを動かしたことも怒りの原因でした。寂しさ、憤りなどの念が痛いほど伝わってきました。受け継いでくれる、維持してくると思っていたので、ショックも大きかったようです。
私はお爺さんを説得しました。お爺さんのネガティブな想いが原因で、夜になると変な霊体が沢山そこの場所に引き寄せられていたからです。「子供達が昼間遊んでいるのよ。自分の子供や孫だと思ったらどうですか?」などと、暫くの間、説得が続き、ようやくのことお爺さんも納得してくれ、「ここの場所を綺麗にして、みんなの憩いの場になるようにしてくれ」と言ってくれました。
後編へ続く